「腕時計の天敵は何?」と聞かれれば、おそらくほとんどの人が「水」と答えることでしょう。時計に限らず機械類は水分が最大の弱点です。機械が水に濡れるとそこからさびが発生し、正常な機能に障害が出て故障を起こし、場合によっては修理不能となることが多いからです。

腕時計は、ほかの機器類とは異なり腕にはめて日常生活に利用するという特性があるため、汗や雨など常に水濡れの危険にさらされています。それを防ぐために発展したのが防水加工なのです。今回は、腕時計における防水性能の詳細について解説します。

防水腕時計とは?

「腕時計を水から守る」つまり「防水加工された腕時計」は、携帯用時計が懐中時計から腕時計にとって変わり始めた19世紀終盤からの時計業界の課題でした。

腕時計の役割は「いつどこでも正確な時刻を知る」ということです。そのため、天敵である水からいかに腕時計を守るかが消費者の求める最大のニーズであり、時計メーカーはそのニーズに応える責務を背負っていたのです。その答えとして生み出されたのが防水腕時計です。

ただ腕時計の防水機能にはその段階に応じて区分されており、「防水だから水に強い」と思うのは大きな間違いです。防水機能を過信し過ぎて故障させたというケースはよくあります。高価な時計を水によって故障するケースもよくみられます。そうしたユーザーの不注意によって時計内部に水が入り故障した場合はオーバーホールとなりメーカー保証の対象外となることがほとんどです。

防水加工の製品であっても、できるだけ水のある環境下に腕時計を置かない配慮をすることがなにより大切であることを肝に銘じておきましょう。

防水腕時計の種類

では、腕時計の防水機能にはどんなタイプがあるのでしょうか。現在市販されている腕時計の「防水機能」に関しては以下の3種類に大別されます。

[非防水]

防水加工が全く施されていないものが「非防水時計」です。中古市場などで売買されているアンティークタイプの大半がこれにあたります。防水に関して何の表示もされていない時計はほとんどが「非防水」と判断してよいでしょう。

洗面時にかかる水滴はもちろん、雨や汗あるいは強い湿気や水蒸気に晒されるだけでも故障の原因となるので使用には十分注意が必要です。保管の際にはケースに入れて乾燥した場所に置いておく必要があります。高価な品は特に「水分は大敵」という認識のもとに取り扱いましょう。

[日常生活防水]

時計店で販売されている大半のごく普通の腕時計に施されているのが「日常生活防水加工」で、本体の裏側に「WATER REGISTANT」と表記されています。洗面時や降雨時にかかる水滴やちょっとした水濡れには問題がない程度の防水機能です。

また、「3ATM」や「3BAR」という表記は「30mの水圧に対応できる」という意味ですが、これはあくまでも防水機能の基準を示したもので、腕時計をはめたまま潜水が可能という意味ではないので注意しましょう。

[10気圧防水]

「10気圧防水」とは、すなわち100mの水圧に耐える性能を持つ腕時計のことで、この製品は「防水加工の腕時計」と呼称され、表記は「100M」「10ATM」「10BAR」となっています。

ただし、これも潜水性能をあらわす表記ではなく、日常生活防水よりもさらに過酷な条件下、例えば水がかかったり一時的に水に浸かったりしても大丈夫という程度の防水機能と考えておきましょう。

[20気圧防水]

20気圧に耐える性能を持った製品は「ダイバーズウオッチ」と呼称されます。海水浴やプールでの水泳時に使用することは問題がありません。ただし、高飛び込みなど急激に水圧がかかる場合などは避けるのが無難です。また温泉など高温のお湯に浸かると熱で機械油に悪影響を及ぼし故障の原因となるので、そのような環境下では使用しないようにしましょう。

おすすめのダイバーズウオッチ

ブロニカ ソーラーダイバーズ(200m防水)

セイコー 当店限定ダイバーズ(200m防水)

ジョルジオフェドン ディープシー(1000m防水)