質の高い腕時計が「一生もの」と呼ばれるように、その気になれば一生涯、もしくは何代にわたってでも使い続けることができます。実際、何十年も前に発売された腕時計が、今もなお現役で動いているケースは少なくありません。
 
腕時計を長く愛用するためには、しっかりとしたメンテナンスが必要となるものです。それは、どのような腕時計であっても同じ。1万円前後の腕時計でも、1,000万円以上のパテックフィリップであっても、定期的なメンテナンスを行わなければ、どんどん精度が落ちていきます。そして、いずれは止まってしまうのです。
 
今回は、そんな腕時計のメンテナンスについてご紹介します。大切な腕時計を末永く使い続けるためにも、覚えておきましょう。

■機械式腕時計は定期的な「オーバーホール」が欠かせない

電池式のクォーツ腕時計は数年単位で電池が切れるため、定期的に専門店へ持ち込んだり、メーカーに送っている方がほとんどです。その一方で、機械式腕時計に電池切れはありません。ゼンマイさえ巻けば動き続けますので、メンテナンスをせず、使っている方も多いかもしれません。
 
ですが、どれほど精度の高いパーツで組まれている機械であっても、長期間にわたって動かし続ければ、各パーツが摩耗します。いつの間にか細かな金属粉がケース内にたまっていたり、他のパーツに付着して負担をかけている可能性があるのです。
 
また、腕時計が正常に動き続けるためには、機械油が欠かせません。油が切れたからといって、即座に止まるわけではありませんが、ギアなどのパーツにかかる摩擦や負荷が大きくなってしまいます。それが結果として、パーツの破損につながります。
 
機械式腕時計は3~5年に1度は分解清掃、注油といったオーバーホールが必要不可欠です。当初、メンテナンスフリーを謳っていたオメガのコーアクシャル機構を搭載したムーブメントでさえ、最低でも10年に1度はオーバーホールを行うよう推奨しています。
 
もちろん、オーバーホールにはそれなりの費用がかかるもの。メーカーによる正規のオーバーホールで1~5万円、腕時計工房や専門店のオーバーホールでも1~2万円程度の費用となります。大切な腕時計を少しでも長く使うために必要ですので、メンテナンスは欠かさず行うことが大切です。

■自分でできる腕時計のメンテナンス

オーバーホールは専門知識のない素人が自分でできるものではありません。一見簡単そうに思える注油でさえ、やり方によってはダメージを与える可能性があります。これはクォーツ腕時計の電池交換も同様で、精密機械である腕時計の裏蓋を開けること自体に大きなリスクが伴うのです。
 
しかし、自分で取り組めるメンテナンスもいくつか存在します。そのひとつが、ケースやバンドなどのクリーニングです。例えば、ステンレスは皮脂汚れが付着したまま放置すると、曇りや変色を起こす恐れがあります。常日頃から、柔らかい布で汚れを拭き取りましょう。
 
また、ダイバーズウォッチをはじめとする防水性の高い腕時計は、メガネなどに使用する音波洗浄機の使用も有効です。風防のガラスも同様で、汚れを放置するとコーティング剥がれの原因となります。汚れに気付いたら、こまめにクリーニングする習慣をつけましょう。

■しっかりしたメンテナンスで愛用の腕時計をいつまでも

面倒に感じてしまうアイテムのメンテナンス。しかし、お気に入りの腕時計を長く愛用したいのであれば、定期的なメンテナンスを欠かさず行うことが大切です。基本的にはプロに任せることになりますが、自分で取り組めるメンテナンスもいくつかあります。メンテナンス用品も販売されているので、表面の汚れ落としを中心に、さっそく取り組んでみてはいかがでしょうか。