日本で生活している以上、一度も「セイコー」の製品をみかけたことがない、という方はいないかもしれません。セイコーは腕時計の他にも壁掛け時計や目覚まし時計、卓上時計、さらには電卓やメトロノームなども製造しているので、誰もが一度は手にしたり、目にすることがあるといえます。それだけセイコーという腕時計ブランドは、特に日本人にとっては身近なものです。
 
今回ご紹介するのは、日本を代表する腕時計ブランド・セイコーが持つ驚異の技術力についてです。その技術力の高さを知ると、海外ブランドよりもセイコーの腕時計が欲しくなるかもしれません。

■セイコー独自の腕時計技術~キネティック・スプリングドライブ

安価なモデルも多数ラインナップしていることから、「セイコー=安物」といったイメージを抱いている方もいるかもしれません。しかし、セイコーが誇る世界トップクラスの時計製造技術は、ロレックスやオメガといった海外の一流ブランドと何ら遜色ありません。ここでは、セイコーが独自に生み出した腕時計製造技術についてご紹介します。
 
・キネティック
ムーブメントのシステムとしては一般的なクォーツ式ですが、最大の特徴は電力供給の方法にあります。一般的なクォーツムーブメントは直流電力の放電のみをおこなう一次電池によって稼働します。それに対してキネティックでは、充電・放電の両方が可能な二次電池が使用されています。つまり、腕時計の内部で電力を生み出し、充電することを可能にしています。
 
最近ではソーラーパネルを搭載することで発電する腕時計も増えてきていますが、キネティックは運動エネルギーを電力に変えるシステムを採用しています。具体的には、機械式自動巻き腕時計と似た形状のローターが腕の動きに合わせて回転し、発電しています。
 
生み出された電力は二次電池に充電されるため、腕時計を装着して日常生活を送るだけで永久的に電池交換が不要となります。一見シンプルな仕組みに思えるかもしれませんが、薄い腕時計のボディにこの機構を詰め込むのは至難の業です。まさにセイコーの高い技術があるからこそ実現可能なシステムといえます。
 
・スプリングドライブ
セイコーが掲げる“技術の集大成”と呼べるのがスプリングドライブというシステムです。機械式腕時計と同じようにゼンマイが動力源となっていますが、この運動を電気エネルギーに変換し、発生したわずかなエネルギーが水晶振動子を動かすことによって、クォーツムーブメント同様の高精度を実現しました。いうなれば、機械式でありクォーツでもある、本物のハイブリッドムーブメントということになります。
 
その機構はとても複雑で、製造に必要なパーツ数は400種類以上。一般的な3針の機械式ムーブメントのパーツ数が100前後といわれているので、単純に4倍も複雑な機構ということになります。当然、それだけ高い加工精度や組み込みの技術が求められ、セイコー以外のブランドではこのムーブメントの量産は不可能といわれているほどです。

■低価格帯腕時計にも惜しみなく注がれる「セイコースピリッツ」

上記のスプリングドライブといった機構はセイコーの最高級ラインである「グランドセイコー」のみにしか採用されていません。しかしだからといって、決して低価格帯モデルの品質が低いというわけではありません。
 
例えば、実売価格5万円以下の低価格帯モデルに対しても、オリジナル機械式ムーブメントといったセイコー自慢の技術力が詰め込まれています。加えて、全価格帯で自社一貫生産を実現しているメーカーは世界的にも多くはありません。価格帯の幅広さまで考えると、セイコー以上に広い範囲をカバーできるマニュファクチュール(自社一貫生産が可能な腕時計メーカー)は存在しないのです。

■日本の誇り!セイコー腕時計を手にしよう

腕時計といえば、つい海外の高級ブランドばかりに目を奪われてしまいがち。しかし、私たちの身近なところにもセイコーという世界トップクラスの腕時計ブランドがあるのです。その高い技術力の結晶を、ぜひとも手にしてみてはいかがでしょうか。