単に腕時計といっても、その種類は千差万別。“時間を知るための道具”という点だけでいえば、スマートフォンやウェラブルデバイスなど、さまざまなデジタルツールで代用することができるでしょう。しかし、今日の腕時計はただの道具ではなく、より趣味性の高いものとなりつつあるのです。
 
そんな趣味性の高い腕時計の代表格が機械式腕時計。クオーツや電波式に比べると正確性は劣りますが、より純粋な「機械」としての所有欲を満たしてくれます。中でも、「マニュファクチュール」とよばれるブランドの機械式腕時計が近年では特に人気。改めて、マニュファクチュールとは一体どのようなブランドなのかご紹介します。

■マニュファクチュールブランドの腕時計とは?その魅力は?

マニュファクチュールとは腕時計の設計からデザイン、パーツの製造、組み立てまで、全行程を一貫して自社で賄えるブランドを指します。「そんなこと当たり前なのでは?」と思う方がいるかもしれませんが、腕時計王国とよばれるスイスでも、早い段階から分業制を採用していたのです。
 
スイスではムーブメント担当のメーカー、文字盤担当のメーカー、組み立て担当のメーカー……というような形で、メーカーごとに役割分担を行っていました。これにより生産効率がアップし、低コストで高品質な腕時計の大量生産を実現させ、この国は腕時計王国の冠を手に入れたのです。
 
そもそも、自社一貫製造を実現するためには、非常に高い技術力が要求されるもの。特に腕時計の心臓部にあたるムーブメントを作るには、緻密な設計と、それを実現するための高い加工技術が必要となります。
 
こういってしまうと、自社一貫生産にはメリットがないと思われるかもしれません。しかし、設計段階からすべて自社で賄うことができれば、それだけオリジナル性の高いモデルを作ることができます。スイスには豊富な種類のパーツを製造できるメーカーがありますが、オリジナリティの面では、マニュファクチュールにはかなわないことも多いのです。

■世界の代表的マニュファクチュール腕時計メーカー

数こそ少ないものの、自社一貫生産が可能な腕時計メーカーは世界中にいくつかあります。パテック・フィリップ、ヴァシュロン・コンスタンタン、オーデマ・ピゲの3大ブランドをはじめとして、日本でも高い人気を誇るロレックスさえ、ほぼすべてのラインナップが自社一貫生産です。かつては汎用ムーブメントを使用したモデルがほとんどだったオメガやブライトリングなども、近年では自社一貫生産モデルのラインナップを増やしつつあります。
 
もちろん、日本の腕時計ブランドも負けてはいません。セイコーやシチズン、オリエントは自社一貫生産を行っており、独自機構を搭載したモデルを数多く生み出しています。クオーツモデルまで含めれば、カシオもG-SHOCKをはじめとする人気モデルの多くを一貫生産しているのです。

■今後注目の腕時計! 新進マニュファクチュールをチェック

自社一貫生産の実現には高い技術力が必要ですので、新しいメーカー・ブランドにとってハードルが高いのは事実です。その最中、マニュファクチュール化に挑戦する新進ブランドも少なくはないのです。
 
スイスのモーリス・ラクロアなどは比較的若いブランドでありながら、持ち前の技術力によって複雑な機構を持つ機械式時計の開発・量産に成功。この他、スイスの文字盤製造専門メーカーであったフレデリック・コンスタントもムーブメントの開発に成功し、マニュファクチュールとなっています。
 
日本をはじめとするアジアメーカーでさえ、自社一貫生産に挑戦しはじめていますので、今後より多くのマニュファクチュールが世界中に誕生するのは間違いありません。

■魅力的なマニュファクチュール腕時計を手に入れよう

汎用パーツを使用したモデルに比べ、マニュファクチュールの腕時計は比較的高価です。しかし、その価格差以上の魅力が感じられるモデルも少なくありません。あなたも腕時計の新たな魅力を発見できる、マニュファクチュールの腕時計に触れてみませんか?