オメガが誇る機構コーアクシャルとは?その歴史を専門店が解説

 

そんなマーケットに輝く高級腕時計の中でも、少し異なった存在感を放つのが「オメガ」の腕時計。この存在感には、実はれっきとした大きな理由があります。

それが「コーアクシャル」と呼ばれる重要な名称。腕時計愛好家であれば、一度は必ず耳にしたことのあるキーワードです。しかし、一部のユーザーはオメガのシリーズ名と認識されている方もおられるようです。

「コーアクシャル」はオメガの腕時計には欠かせない機構を指していますが、ここでは、この「コーアクシャル」について詳しく解説するとともに、その搭載の流れや具体的なモデルまでをチェックしていきましょう。

コーアクシャルとは?

コーアクシャルの特徴と仕組み

まず、コーアクシャルの実体を見ていきましょう。これは、オメガが誇るムーブメントに搭載されている脱進機構(エスケープメント)の1つであり、正式名称を「コーアクシャル・エスケープメント」と呼びます。

ただ、そもそも、脱進機構とは何でしょうか?これは、「調速機」と「脱進機」という2つのメカニズムによって構成される機構であり、簡単に言うと「調速機」で一定のスピードを作り上げ、「脱進機」によって規則リズムで振動し続けるという合わせ技を作り出す特徴を持つのです。

オメガのムーブメントは、本来的に精度が高いものですが、腕時計にとってはそれをより高いレベルで維持し続けることが何よりも重要。オメガは、従来的な脱進機構を発展させるべく、コーアクシャルという仕組みを生み出し、驚くべき精度の高さを実現していると言えるでしょう。

スイスレバー式とコーアクシャル

さて、多くの腕時計で採用されている一般的な脱進機構は、スイスレバー式と呼ばれるタイプ。上述の「調速機」と「脱進機」を使ったものは、非常に優秀な仕組みではあるものの、1つだけ欠点がありました。

ブレーキがかかるたびに、脱進機のアンクルに取り付けられた2つの爪石が刻みに接触するという物理的な仕組みは、その性能を維持にしていくために、注油による定期的なメンテナンスを進めなければならなかったのです。

そこで、このようなスイスレバー式のメンテナンスに発生しやすい実際的な問題を改善するべく、独立時計師ジョージ・ダニエルズによって開発されたのが「コーアクシャル」であり、腕時計運用にかかる利便性を飛躍的に向上させています。

つまり、それまでの従来型のアンクルを特殊な形状に仕上げ、ガンギ車を複数層化することで生まれたコーアクシャルでは、爪石も3つに増やしたことで、部品同士の摩耗の大幅な緩和を実現しているのです。

マスタークロノメーター

そして、このコーアクシャルの機構を搭載したムーブメントを発展させたのが、「マスターコーアクシャルムーブメント」と呼ばれるタイプでしょう。これは、2014年に登場したムーブメントであり、現在のオメガのモデルの大半に採用されていることでも知られます。

その大きな理由として、2015年に認定制度として誕生した、COSC(スイス公式クロノメーター検定協会)認定、いわゆる「マスタークロノメーター認定」に合格したことで、業界の人間でさえも驚く精度はもちろん、優れた耐磁性を有しているからです。

この認定制度は、単なる精度や耐磁性だけの典型的な尺度で評価するものではなく、姿勢差や防水性も加えた総合的な評価を行っており、それに認定してもらうということは名実ともに優れたムーブメントであることを証明しているのです。

そのため、「マスターコーアクシャルムーブメント」はオメガの誇りあると当時に、技術的なシンボル。オメガのコーアクシャルの素晴らしさは、このマスタークロノメーター認定に裏付けられていると言えるでしょう。

コーアクシャルの遍歴

1999年 限定モデルで初デビュー

ここからは、オメガのコーアクシャルが、どのように生まれて歩み続けて来たのかを見ていきましょう。コーアクシャルとしての脱進機構デビューは、1999年にまで遡り、当時限定モデルとして発売されていた「デ・ビル コーアクシャル」に搭載されていました。

それまで販売されていた「デ・ビル」シリーズに、コーアクシャル機構を組み込んだもので、その精度が驚異的に向上した記念的モデルでもあるでしょう。

ゴールド(イエロー、レッド、ホワイト)素材、プラチナ素材による製品展開を見せ、シンプルでゴージャスな雰囲気を持つビジネスモデルの中に組み込まれていたのです。

2002年  シーマスター・アクアテラの登場

しかし、上述の「デ・ビル コーアクシャル」は限定モデルであったことから、コーアクシャルの根本的知名度を高めるにはイマイチな面があったのも事実。

それでも、2002年に発表された「シーマスター・アクアテラ」に標準搭載されたことにより、一般的普及を急速な勢いで果たしていくことになります。

海をモチーフにした、シンプルデザインに輝くアクアテラは、結果的に多くのユーザーの心を掴み、彼らが無意識にコーアクシャルの秀逸さを実感することにも繋がりました。

2007年 30年ぶりのオメガ社製ムーブメントの開発

それまでは、コーアクシャルの仕組みを従来型の汎用的なムーブメントに組み込むことで、数々の商品開発を進めてきたオメガ。

それでも、質の高い製品を提供することができていた一方で、コーアクシャルにふさわしい専用ムーブメントの自社開発に思いを馳せていました。

そして、その思いを形として実現させたのが2007年。「Cal.8500」と呼ばれるムーブメントを誕生させ、実に30年ぶりのオリジナルムーブメントを世に出したのです。このことは、オメガのコーアクシャルに対する自信を確固たるものにしたのです。

2014年 ムーブメントの非磁気化

2007年に満を持して登場させた、オメガのコーアクシャル専用自社製ムーブメント。しかし、社会のグローバル化が想像以上にスピーディに進む中、ムーブメントの機能向上を迅速に行う必要性にかられていました。

腕時計のグローバルモデルにとって大敵なのが、自然に存在する強い磁気。日本では問題がなくとも、海外で活用するとなれば、十分な対策が求められます。

そこで、オメガは2014年に、15000ガウスもの耐磁性能を獲得した「マスターコーアクシャル」を発表。コーアクシャル専用ムーブメントの非磁気化を実現させ、さらなるグローバルモデル展開の可能性を広げたと言えるでしょう。

2015年 マスタークロノメーターの採用

そして、2015年には「マスタークロノメーター・ムーブメント」が誕生。この名称は、上述のCOSC(スイス公式クロノメーター検定協会)認定、いわゆる「マスタークロノメーター認定」が由来となっています。

つまり、認定主体であるスイス連邦計量・認定局(METAS)によって認定された規格を持つのはもちろん、高精度、超高耐磁に仕上げられており、その後のオメガのほとんどのモデルに採用されているのです。

コーアクシャルムーブメント搭載モデル

コーアクシャルムーブメント搭載のおすすめモデル 1.210.90.42.20.01.001

 

ミステリアスな表情を見せる、このモデル「210.90.42.20.01.001」は、コーアクシャルを搭載したオメガの「シーマスター」シリーズの1つであるとともに、1万5,000ガウスを超える耐磁性はもちろん、30気圧防水性も発揮

オメガのシーマスターと言えば、あの有名なスパイアクション映画「007」シリーズでお馴染みの腕時計。1995年公開で、ピアーズ・ブロスナンが初めてジェームズ・ボンドを演じた「007/ゴールデンアイ」以降、正規のミッション用アイテムとして活用されています。

特にこのモデルは、2021年公開で、ダニエル・クレイグ主演の「007/ノー・タイム・トゥ・ダイ」に登場した腕時計デザイン。その風格の素晴らしさは、お洒落なブラック基調の文字盤とメタルの組み合わせによって見事に放たれているのです。

ベルトのメッシュも諜報員としての本能的な部分を彷彿させる質感。細身のスマートさを持ちながら、マッスルなエージェントとしての雰囲気がとても眩しいでしょう。

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コーアクシャルムーブメント搭載のおすすめモデル 2.210.30.42.20.01.001

次に、このモデル「210.30.42.20.01.001」もシーマスターモデルの1つ。文字盤を見ていると、水面に浮かんでいるような不思議な気持ちになります。

この特色あるビジュアルは、レーザーエングレービング加工によるウェーブ模様による作用が大きいですが、それに加え、シルバーの輝きを抑えたメタルベルトのデザインの良さも好影響しています。

ベゼルもメタリックな風合いですが、実は質感の高いセラミックによるもの。インデックスや針には、ルミが施されたピュアホワイトを採用していることもあり、ブラックカラーがモチーフであっても秀逸な視認性を実現しているのです。

重厚な雰囲気ながら、アクティブな魅力も見せてくれるこのモデル。ビジネスの現場から、ドレッシーなアクティビティまで対応できるオールマイティーな高級腕時計でしょう。

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コーアクシャルムーブメント搭載のおすすめモデル 3.511.13.38.20.02.001

出典:オメガ公式サイト

さて、これも「シーマスター」の素晴らしいモデル「511.13.38.20.02.001」。オメガのシーマスターは、その歴史も非常に古く、1948年というのですから大変な驚きでしょう。

このモデルは、そんな初代のシーマスターに対する最大限の敬意を払う意味において生み出されたもの。初代発売年にちなんだ1948本限定という希少価値の高さもあり、中古品であっても入手するのが極めて困難なモデルとされます。

⁠また、METAS⁠認定を受けたマスター⁠クロノメーター・ムーブメント「Cal.8806」を搭載。気高いホワイトを文字盤カラーに採用しながら、革バンドとの絶妙なマッチングもあって、無邪気で優しい表情を見せてくれることも忘れてはいません。

針やインデックスも、18Kホ⁠ワイトゴ⁠ールドを素材とするほどの非常に豪華なもの。デザインだけでなく、ファッション的感性にも富み、男女の差もなく魅了してしまうカリスマな腕時計です。

オメガのシーマスターのメンタリティを、当時のままに余すところなく再現したとも言えるこのモデル。オメガのユーザーでなくとも、このモデルを見ればきっと素晴らしいインスピレーションを得られることでしょう。

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まとめ:オメガが誇る機構コーアクシャルとは?

オメガ=コーアクシャルという構図は、現在非常に揺るぎない印象。それは、オメガが製品進化の過程において、絶え間ない努力を続けてきたことの表れでもあります。

限定モノも数多く存在するオメガの腕時計ですが、その希少性により、まず手に入れられないモデルも少なくないでしょう。もちろん、それもコーアクシャルが魅力を与えているからであるのは相違なく、ユーザーもそれをよく理解しているわけです。

コーアクシャルとは、腕時計が求められる精度が上がれば上がるほど進化しなければならない、宿命的な脱進機構。オメガとコーアクシャルの挑戦はまだまだ終わりません。

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